大口弁護団長が倒れられ参加できない大変な中で、これまで準備いただいた皆さん、当日各自の持ち場で奮闘して頂いた皆さん、何よりも福島現地の方々の支援があり、メディアの注目を集め、福島県・福島地裁を包囲する行動として大きく成功したことに感謝の気持ちでいっぱいです。
次回第2回口頭弁論は、 2021年8月6日(金)15時~(7/15予定から変更になりました)です。
取り急ぎ、お礼とお願いをさせていただきます。 以下、当日のレポートです。
東京・国家公務員宿舎に入居する区域外避難者の明け渡しと家賃相当分支払いを求めた裁判の第1回口頭弁論が開かれた5月14日、「避難者の住宅追い出しを許さない会」が主催し、「ひだんれん(福島原発事故被害者団体連絡会)」「『避難の権利』を求める全国避難者の会」が賛同した激励行動には約30人が集まった。コロナ禍で定数の半分の20席と制限された法廷は、傍聴者で埋まった。『朝日』やNHK、地元紙など、16のメディアが取材に訪れ注目された。
前日に弁護団長が緊急入院するアクシデントが報告されるなか、避難当事者は「ショックだった。何としても回復を」と話す。地裁前集会でひだんれんの武藤類子代表は「行政が避難者を追い詰めるこのような裁判を起こすこと自体に憤りを覚える。応援していく」とあいさつ。柳原敏夫弁護士は「未曽有の過酷事故を起こしておきながらそれを救済する国内法がない。避難民の居住権を国際人権法の光に照らして徹底して闘う」と決意を述べた。
審理は、避難者2世帯がコロナ禍での移動と交通費負担面から居住地で ある東京地裁への移送を申し立ててきたが拒否され、2世帯は主張・弁護士が同一でありながら別事件として別々な日程で組まれた。法廷で弁護士はこれに抗議して弁論併合を求めた。また、争点は県の提訴に至る経過の不当性、原告としての適格性にとどまることなく、国際人権法、戻れない根拠としての低線量被ばく問題を焦点に据えると訴えた。
記者会見で弁護士は、移送申立てで昨年3月25日提訴から口頭弁論開始まで時間を要し
た経過を説明。「ふつうの明け渡し裁判とは異なり人権問題にかかわるもので、次回以降科学的客観的に主張したい旨を述べ たことに裁判官は『わかりました』と返答した。原発避難者の居住権を正面から争う世界でも最初の裁判となる」と報告した。主催者の許さない会・熊本美彌子代表は、東京・国家公務員宿舎に住み続ける避難者の実態を訴え、福島県は引っ越し先のあっせんに努力している、経済的・精神的事情で出られない避難者をわがままと訴えている、といったウソを批判した。
2人の当事者の訴えが代読された。母子避難し、住宅支援打ち切りの時に職を失っていた女性は「やっと職も見つかり、少しずつですが、生活を何とか整えている状況の中で、福島県の醜い方針に納得できません」。精神疾患をかかえた男性は県の不手際で支援打ち切りの時に可能であった都営住宅への優先入居が断られた。 男性は以降都営住宅に応募し続けているが14回落選。落選通知書を貼り付けて、抗議の意を示した。
報告会では、「県交渉を続けてきたが成果を上げることができなかった。最後まで応援していく」(ひだんれん・大河原さき事務局長) 「当事者・弁護団・支援者の3者の団結が大切。裁判になったからこそ県交渉は重要だ」(山形住宅追い出し訴訟・武田徹避難者代表)「福島県は被害者を救うどころか加害者・国を救うようなことをやってきた。避難者を皆さんで助けて行こう」(子ども脱被ばく裁判・今野寿美雄原告団長)「加害者行政が被害者を訴えるようなバカな話はない」(作家・渡辺一技)と、連帯あいさつが続いた。
報告会の様子はZOOMで京都とつながれた。うつくしま☆ふくしま in 京都は、“オンライン参加で応援しよう”と呼びかけ、視聴者を募った。原発賠償京都訴訟・福島敦子原告団共同代表は「この裁判、完全勝利までサポートする」と決意を述べた。かながわ訴訟・村田弘原告団長もZOOMから「この日控訴審があり行けなかった。大口弁護団長の様態が心配だ。同じ被害者の一人としてどこまでも一緒に闘う」と熱いエールを送った。
次回の裁判期日は7月15日、2世帯を続けて行う。
【動画】『20210514 UPLAN 【街宣・記者会見・報告集会】住まいを奪わないで!原発避難者住宅追い出し裁判はじまる!第1回口頭弁論支援行動』
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