top of page
検索
masa2616

5.11「原発事故避難者の人権保障を考える講演会&対談」報告






標記つどいにご参加くださいましてありがとうございました。

遅くなりましたが、当日のつどいの報告を以下ご案内させていただきます。

 

①講演会「国際人権法から原発事故避難者の人権保障を考える」

※清水先生の講演会の内容は、下記①でご覧になれます。

 また、講演会に対する質問は、下記一覧表をごらんください。

 ⇒「YOUTUBEを見る」を押下

 ①主催者あいさつ、清水先生講演会―

 ②質問への回答、柳原弁護士との「対談」―

 ③後藤秀典さんの発言

 

5.11講演会 質問、回答                         2024.5.17

 

質 問(①~⑤の回答は、上記②の録画をごらんください)

Q;ヒメネス・ダマリーさんの報告書発表の際(昨年7月の国連人権理事会?)、日本政府代表が「多くの事実誤認がある」と反論したと聞きます。どんな“反論”だったのでしょうか?

Q;日本がこういった国の人権侵害を無条件に受け入れてしまう根本的な原因は何に(どこに)あると思いますか?

アメリカなど他の国と比べると日本はこういった問題を口にすることがタブー視されるように思います。

Q;ある塾の先生が言うには、今の日本の教育に対して中高生はお上が決めた事に素直に従わないのはおかしいという意見があった。憲法99条は権力者を縛るものと教えても逆に従うものだと思っているようです。検閲に対しても何ら不思議に思わない児童、生徒がほとんどであると聞いた。こういう若い人が多いと驚いています。政府は弱い人達のためにあるものではないでしょうか?

Q;被害者は語りたがらず加害者は隠ぺいする、本当にそうだと思います。私は、戦争の惨禍を伝えようとする子どもが小学校4年生と1年生のときに『火垂の墓』アニメ版を子どもと一緒に見たのですが、見終わった二人は泣き出し、上の子は怒りました。私に。なぜこんなものを見せたのだと。どのように伝えたらよいのか、今もよく分かりません。知らない世代に伝える方法をどうお考えでしょうか?

Q;人権総会への各国個人からの申し出が所属国家の許しを得ないとダメとのことですか、「団体」のような形では追求できないのでしょうか。環境問題におけるNGOや労働問題におけるILOへの要請などのように。

Q;①『原発避難を語るー福島県から栃木県への避難の記録』を読んでみたいのですが、どこに行けば読むことが可能ですか?おしえていただければありがたいです。

②人権の問題についてー宗教界の動きは?カトリック、プロテスタント、仏教、その他(国際的圧力は?)

③人権の問題について、国内でできることは?

⑥回答

①    証言集『原発避難を語る』は、以下の通り国立国会図書館、および東京都立図書館に寄贈しておりますので、ご利用ください。

https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I026259402#library

②    人権の問題についてー宗教界の動きについて原発避難者の支援活動は、日本における多様な宗派の関係者が関わったと聞いております。避難者については、カトリック教会のローマ法王が来日した際に面会したことが話題となりました。

https://www.ourplanet-tv.org/39614/ 

③    人権問題について国内でできることについてー国内でできることの一つの例としては、政府から独立した国内人権機関の設置を働きかけることがあります。国内人権機関とは、国連が世界各国に求めている国際的な人権基準を国内で実行するためのシステムですが、日本にはまだありません。

詳細は日弁連の以下のサイトをご覧ください。

https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/human_rights_organization.html 

★2024.5/11<対談>(柳原敏夫弁護士―清水奈名子教授)について           

*「対談」は、講演への質問に対する回答の後に行われました。この録画は全体約33分。前半は講演に対する質問が約15分、その後、柳原弁護士と清水教授の「対談」が約18分となっております。  https://youtu.be/RARNRwypKwQ <https://youtu.be/RARNRwypKwQ>

*この「対談」の目的は、清水教授の講演を受けて、国際人権法を原発避難者に対する「住宅追い出し裁判」においてどう活用するかについての視点を提起していただくというものでした。

              (柳原弁護士をY、清水教授をSと表記させていただきます)



Y1;裁判を通じて福島県や国の政策を変えようと思ってやってきたが、本当は、避難者の人権を保障することではなかったのか?




S1;国際人権法を理解することが前提だったが、判決文(仙台高裁)は全くそうはなっていなかった。この問題を災害救助法の狭い法律論に限定されてしまった。意見書で被害を詳しく書いたが、全く議論されなかった。


Y2;法の欠缺(けんけつ)についてー県知事の政策の批判は、(裁量行為が許されているので)法律論としてなじまない、無理に近かった。政策を変えることではなく、人権侵害であるという視点が弱かった。国司人権法の光を当ててみたらそのことが浮かび上がった




S2;社会権規約にある「adequate housing」(適正なあるいは十分な住居)について、仙台高裁判決はここ(社会権規約)から居住権を導かれるとは言えない、抽象的概念であると誤魔化した。


Y3;原発やコロナになると憲法が停止するようになっている。災害時においても人権は継続する。裁判に立ち上がった人々を県や国が許さないと判断した、「強制執行」に出た。人権は国からもらうものではなく、国や県に認めさせるしかない。






        

③後藤秀典(ジャーナリスト)の発言~最高裁判所の人事―巨大法律事務所との癒着について

  講演会での発言内容は、ユーチューブ③をご覧ください


※住宅追い出し裁判における上告審について(ご案内)

  原発避難者追い出し裁判(2世帯)は、仙台高裁判決に控訴するため4月18日に上告理由書および上告理由申立書を提出しました。5月27日、最高裁判所より通知がありました。配属は第2小法廷です。裁判長は小倉三郎(最高裁長官)、判事は、草野耕一、岡村和美、三浦守、尾島明各氏です。判事の4人うち、前2者は5大法律事務所との結びつきがある裁判官、三浦裁判官は一昨年6.17判決において国の責任ありとの意見を出した方です。尾島判事は新任です。

  これら5名の判事がわたしたちの上告理由書等にどのような判断を示すか注目です。注目点は、下級審において国際人権法についての審理を全く行わなかった点、すなわち原発避難者の住宅問題を国際人権法の観点から判断する必要があるとするかどうかです。

  他にも重大な問題を上告申立理由書で書いています。それは、福島県が主張する国の代位権行使としている権利自体に実体がないのにそれをあるかのごとく主張する=避難者に対する人権侵害を最高裁が見破ることができるかどうかにあります。下級審ではこれを容認する過ちを犯していますので、最高裁での取り扱いがカギになってきますので、要請行動等が求められています。



閲覧数:40回0件のコメント

Comments


記事: Blog2 Post
bottom of page