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12/3 福島地裁第4回口頭弁論報告

【12月3日、第4回住宅追い出し訴訟/支離滅裂な県の反論、次回から本格論戦へ】

第4回住宅追い出し訴訟が 12 月3日、福島地方裁判所で開かれた。前回、本訴被告(避難者)が本訴 原告(福島県)に対し、精神的苦痛による損害賠償を訴え反訴した。この日、県は、反訴請求棄却を求 める「反訴答弁書」と避難者が提出した準備書面への反論(準備書面2)を提出した。


福島県答弁に口頭反論―本格的論戦の舞台は整った!

法廷の原告席は、相変わらず弁護士一人。提出書類の説明すら行わなかった。

柳原敏夫弁護士は、県の反論提出が遅れたため、本格的議論は次回に行うとし、「国際人権法に関わ る主張に対し重要な誤読がある」と指摘した。県は、避難者が「居住権は、国際人権法で保障されてい ると主張する」と誤読し、「社会権規約等の条約の規定によって、本件建物の具体的権利(占有権原) が発生するわけではない」と反論する。しかし、国際法・条約に個別日本国内の原発避難民の住宅措置 が規定されるはずはない。国際人権法を具体化する国内法作成の不作為を問題にし、「無法状態の下では、 上位法(国際法・条約)を指針に解釈運用し居住権を確保すべき」という争点を理解していない。更に県は、「社会権規約委員会の『一般的意見』や国連人権委員会の『指導原則』は、国連の一委員会が作成し た一つの意見にすぎない」と主張。国際人権法への無理解と人権意識の低さを露呈した。 前回、裁判長は、2017年3月住宅提供終了の法的根拠の釈明を求めた。県は、「災害救助法、建築 基準法、特別措置法を根拠に、応急仮設住宅供与の終了が政策決定された」からと主張。「2017年 までは、東京都が福島県の依頼で財務省に使用許可申請してきたが、以降、県が依頼しなかったため都 も申請せず、入居避難者は占有権原を失った」とする。大口昭彦弁護団長は、報告集会で、「家主の財 務省、使用許可申請していた東京都でなく、福島県の追い出し提訴はおかしい。“債権者代位権”を主 張するが、2017年以降、福島県が財務省に使用許可申請したのは、避難者の居住権を保全するため。 その権利保全のため、国に代わって福島県が追い出しをする理屈は、全く通らない」と批判した。

福島駅前チラシ宣伝に反響!

裁判に先立ち福島駅前では福島県の人権侵害を伝えるチラシが配られた。受け取りは良く「東電の責 任だけでなく、原発を受け入れた自治体の責任をもっと追及すべきだ」など、話しかけてくる人との会 話があちこちで生まれた。


福島地裁前集会―国と福島県の間違い正す裁判へ!


福島地裁前集会で大口弁護団長は、「傍聴の皆さんは、法廷でのやり取りを聞いているだけでなく、県 側の主張を知り、議論し、弁護団にも意見し、当事者と一体となって闘っていこう」と呼びかけた。ひだんれん(福島原発事故被害者団体連絡会)の大河原さき事務局長は、「25 日県交渉で、国家公務員宿舎入居者の親族宅を訪問しないことを確認した。一方、12 月県議会で新たに5世帯を調停にかけ不調な ら提訴・追い出し方針に切り替えてきている。福島県のあり方を正す裁判闘争にしたい」。かながわ訴訟原告団長の村田弘さんは、「県は、あらゆる手段を使って追い出し、避難者住宅問題を終わらせようと している。国と県の間違ったやり方を変えさせる最先端の闘いとして一緒に頑張っていく」と決意を述 べた。


福島県内から全国へ、大切な人のつながり広がる報告集会!


裁判後の報告集会に約 20 人が参加。東京・神奈川・千葉・埼玉に加え、県内から伊達・福島・郡山・いわき市や仙台・米沢市など、住宅問題を福島県・周辺に拡げる大切な人のつながりが生まれる集会となった。 福島現地で迎え入れ準備に奔走する“子ども脱被ばく裁判”今野寿美雄原告団長は、「逃げる気満々の 福島県を反訴した意義は大きい。被害者が加害者に訴えられる、あってはならないことが起きているの が内堀県政。私たちが正義だ。がんばっていこう」と激励。福島原発被災者フォーラム山形・福島の武 田徹代表は、「みんなで議論していけるよう我々の主張と県側の争点をわかりやすく図表にしてもらいた い」と注文。京都からは報告集会への ZOOM 参加が募られ、避難者への2倍請求と追い出し強要を許さな い会・福島敦子世話人から「みなさまを案じ、支援の輪は確実に広がりをみせています。加害者である 福島県が避難者を訴える不当裁判には真正面から向き合い、間違いを正していこう」とのメッセージが 寄せられた。許さない会の会計担当からは、「この間会員が急増。福島原発被災者フォーラムはじめ多額 の寄付も寄せられ感謝している。毎回6~7万円の交通費がかかる。証言実現を考えれば、会員を増や し、カンパもお願いしたい」と訴えがあった。 次回第5回口頭弁論期日は、来年2月4日(金)午後3時となった。福島県の当事者としての適格性を はじめ、県の反論の支離滅裂な論理を一つ一つ叩いていく論戦がスタートとする。




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